● もどすときの注意

ひじきには芽ひじきと長ひじきがあり、一般に乾物として売られています。
どちらもまず、たっぷりの水で振り洗いして砂やよごれを落としてから、水につけてもどします。
ひじきも、わかめと同じ褐藻類の仲間で、水溶性の食物繊維であるアルギン酸
を含んでいますから、もどしすぎないように注意してください。
ひじきを水につけておくと、水が黒っぽくなりますが、これはアルギン酸ばか
りでなく、鉄や色素などのひじきの成分が溶け出しているからなのです。
つける水は2〜3回かえますが、煮物にするときなどは、最後の水は捨てない
で、いっしょに使うと、溶け出した成分も利用できてよいでしょう。
干しひじきは、少しに見えても、水にもどすと8倍〜10倍にも増えますから
、もどす量にも注意しましょう。
● 自慢のカルシウムと鉄を効率よく生かす。
ひじきの特長は、食物繊維、なかでもアルギン酸を多く含んでいることです。
これは、わかめにも共通することですが、さらに、ひじきには、今日本人に
不足しているといわれるカルシウムと鉄がたいへん豊富に含まれています。
これを是非、有効に利用したいものです。
ミネラルは、一般に吸収率の悪いのが悩みのたねです。
私たちの体が実際に必要としている鉄は、一日わずか1ミリグラム程度なのに
、10ミリグラムはとる必要があるといわれるのも、吸収率が悪いからなので
す。
いいかえると、吸収率をアップさせることができれば、同じだけ食べてもミネ
ラルはもっととれるということになります。
ミネラルは、調理の工夫でも吸収率をアップさせることができるのです。
たとえば、カルシウムは酢を使うとずっと吸収されやすくなります。
また、鉄は、ビタミンCといっしょにとると吸収率がよくなることが知られて
います。
体の中に吸収された鉄は、たんぱく質と結びついて働きますから、たんぱく質
といっしょにとるのも、鉄を効果的に活用できることにになります。
ひじき料理にもこうした頼もしい助っ人を取り入れれば、ひじきのもつ栄養が
より効率よく利用できるというわけです。
いろいろな食品とじょうずに組み合わせれば、栄養のバランスも良くし、栄養
成分の健康効果を高めることにもなるのです。
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